猪瀬直樹の書籍を徹底紹介します。



「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹、PHP研究所

一気にわかる!空港の内幕―日本病のカルテ
猪瀬 直樹 MM日本国の研究企画チーム
PHP研究所 (2002/11)
おすすめ度の平均: 4
4 興味深く読めます

(評価:★★★★☆)

●本書は猪瀬氏が道路関係四公団民営化推進委員に任命された2002年
 に発行されたものですが、猪瀬氏の官僚国家日本を分析する活動には頭
 が下がります。歴史に名を残す人だと思います。


●本書は空港についてのおかしな行政について、データを示しながら解説
 していくのですが、国土交通省は国益ではなく省益を考えているように
 しか思えないのは私だけでしょうか。

 ・空整特会でお金が余っているから、伊丹空港や建設中の神戸空港がある
  のに、関空は関空でどんどん拡張工事を行う。静岡空港にしても、静岡
  県の東側の人は中部国際空港のほうが便利なのに、建設を続けている・
  ・・どのような国家的ビジョンに基づいて空港政策を立てるかという、
  いちばん根幹の視点が欠けているのである。(p52)
  

●今の役所が昔の日産に見えてきました。役所にカルロス・ゴーンがやって
 きたらきっと面白い仕事ができるのだろうな、と考えている若い官僚もいる
 のではないでしょうか。やれることはたくさんあるのです。

 ・課税前の航空機燃料の価格は、一キロリットルあたり二万七千円前後
  である。これに一キロリットルあたり二万六千円の航空機燃料税と
  消費税が課税される・・・ヨーロッパの航空機燃料税はゼロなのだ。
  ・・・アメリカにしても、日本の十八分の一。(p40)


●空港の実態を、データと猪瀬氏の分析で理解できる良書として★4つとし
 ました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・ある国土交通省の役人がこんなホンネをもらした。「道路関係四公団
  民営化推進委員会に世間は注目している。猪瀬も当面はそれで手一杯。
  いまがチャンスだ」(p12)


 ・成田空港公団(新東京国際空港公団)の予算は、すべて国土交通省から
  の指示によって決まる。「これだけ使え」と金額を決められ、そのぶん
  について事業計画を立てるのである。・・・いかに予算を消化するかと
  いう発送で事業計画が立てられる構造になっているため、コスト意識が
  働かないのである。(p28)


 ・単純な着陸料をジャンボ機で比較すると、成田95万円、香港46
  万円、ソウル31万円、ニューヨーク53万円、パリ30万円と
  なっている。(p60)


 ・官僚の説明に僕は慣れている。外国のデータを持ち出すときはたい
  がい苦しいときで、前提条件を微妙にずらしているケースが少なく
  ない。(p170)


「一気にわかる!空港の内幕」猪瀬 直樹、PHP研究所(2002/11)¥1,365
(評価:★★★★☆)


読んでいただきありがとうございました!

【猪瀬直樹の経歴】
1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

1996年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。

政府税制調査会委員、日本ペンクラブ理事・言論表現委員長、東京大学客員教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなどで活躍中。


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