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道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日 |猪瀬 直樹

道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日
猪瀬 直樹
文藝春秋 刊
発売日 2003-11-13
価格:¥1,680(税込)


小泉改革の要の一つである道路公団民営化をめぐる政治劇は、民営化委員会が公開で議論を重ねたことに加え、うごめく族議員や官僚らのキャラが立ったこともあり、長くテレビ、新聞をにぎわせた。その渦中にあった著者、猪瀬直樹による渾身の書き下ろしドキュメントだ。
2002年から翌03年にかけて、猪瀬直樹の顔と声は、まさにテレビのニュース番組の定番であった。だがそれは、道路公団という巨大な権力に、ひとりのタフな作家が挑んでいる、という漠然としたイメージが先行していた。テレビでの取り上げ方は、どうしても喧嘩を見物する野次馬的なものになりがちだし、新聞を1紙か2紙読んでいたところで、全体像はなかなかつかみにくかったのだ。
今回、異例ともいえる早さで刊行された本書を読むと、この3年間の動きはもとより、既得権益を死守する集団との攻防の内実が、そしてすさまじさが、改めて解る。とにかく、この本から受ける印象は、スピードの速さだ。熱いうちに書いて出せ、とばかりに書き下ろされた文章には臨場感があり、その一方で緻密である。通常、この種の本は、数年の冷却期間をおいて書かれたり、下手をすると当事者があらかたリタイアしてから出されたりするものだ。猪瀬の多忙を思うと、今この時点で、これだけの完成度の本が出たことは奇跡に近い。
臨場感があるゆえに、テレビの見方と同様、「橋龍、クリア」「古賀、クリア」といった具合に、つい人対人のやりとりや、議論の枝葉などに目を奪われたりしがちではある。また、道は太古からあり、商売の手段となってきたけれど、それと国との関わりは、といった哲学的、思想史的な深い話にはならない。そんなことには構ってられないとでもいうような速さで筆は進んでゆく。しかし構造改革について、この時期に広く一般向けに出された本としては、最良の書き手、最良の手法によるノンフィクションであることは間違いない。(坂本成子)

ある意味、ノストラダムスの大予言を21世紀に読むようなモノ 2005-04-02
今や昔? 本を買ったときは道路公団民営化が大ブームであった。今は郵政民営化だけれどね。あの頃は「本当に民営化ができるのか?」だったけれど、一体それはどうなったのか?
今目の前で行われたのは骨抜きの民営化なのか、それとも骨太の改革だったのか?
よくいうではないか、それは証人になれた気がする。
ドキュメンタリーも、こうやって時間をおいて読んでみると面白さが倍増するもんだ。
あの当時、日本中が浮かれていた道路公団民営化のなれの果てを考えると、郵政民営化も、年金改革もこうなってしまうのではないかと思い、恐ろしい。


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この記事は2006/7/21に作成しました。

【猪瀬直樹の経歴】
1946年、長野県生まれ。

1987年『ミカドの肖像』で第18回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞。

1996年『日本国の研究』で文藝春秋読者賞受賞。以降、特殊法人等の廃止・民営化に取り組み、2002年、小泉首相より道路関係四公団民営化推進委員会委員に任命される。

政府税制調査会委員、日本ペンクラブ理事・言論表現委員長、東京大学客員教授、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターなどで活躍中。


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